【なぜ「an・an」なのか?】雑誌名の由来と発行部数の推移を合わせて解説

【なぜ「an・an」なのか?】雑誌名の由来と発行部数の推移を合わせて解説

日本を代表する女性誌の1つに『an・an』(アンアン)という雑誌があります。

いまとなっては当たり前に呼ばれる誌名ですが、意外とその由来は知られていません。

今回はそんなan・anの歴史と由来、特徴について紹介していきます。

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男子高校生が応募した名前が採用された…?

結論から言うと、ananという雑誌名は動物園のパンダの名前「アンアン」に由来しています。しかし、その裏側にはちょっとした逸話があることは意外と知られていません。

じつはananの由来にはいくつか説がありまして、創刊時に雑誌名を読者に募った結果、男子高校生が応募した「アンアン」という名前が採用されたという説があります。

しかし、実際にはananの名付け親は「黒柳徹子」というのが定説になっているようです。

当時モスクワ動物園にはアンアンというパンダが飼われていました。それを知った黒柳徹子が、当時仲の良かった編集部の人に教えたことがキッカケとされています。

黒柳徹子さんのInstagramにもその旨が書かれています(本人は自分が名付け親とは断言してませんが)。

「アンアン」という雑誌の名前の由来は、諸説あるようですが、最も有力とされてるのは、私が名付け親だということです。

(中略)

ロンドンの動物園にいたメスのパンダ「チチ」に会いに行きました。
運が良く、その時には、ロシアからオスの「アンアン」が子作りのためにロンドンに来ていて、私は、始めてで、2匹のパンダを見ることができたのです!
照れる「アンアン」と恥ずかしそうな「チチ」の行動が、おかしくて、凄〜く可愛いかった💕
私は、日本に戻って来て、パンダを見て来たこと、その「アンアン」が、いかにかわいかったかを、みんなに話した。
その時に、新しい雑誌を作ろうとしていた人達が、「アンアンって名前、かわいいわね、アから始まってンで終わるなんて、とってもシャレてる」ということで、雑誌名が「an・an」に決まり、パンダのイラストが、使われるようになったのです。
パンダの名前を雑誌名にして、しかもパンダのイラストまで表紙に使うなんて、本当に素敵な雑誌だな〜と、当時、思いました。

ananの発行部数は右肩下がり

あらためて説明すると、『an・an』は、株式会社マガジンハウスが毎週水曜日に発行する女性週刊誌でして、創刊はなんと1970年3月20日とかなり歴史のある雑誌です。

ananが扱う内容はファッション、メイク、恋愛、ダイエット、映画や音楽、占いなど幅広く、中でもセックス特集は他の雑誌との差別化に一役買っています。

表紙には女優・モデルやジャニーズ、時には無名アイドルを起用することもあります。

日本雑誌協会によれば、2018年10〜12月発行部数は147,962部となっています。2008年10〜12月の発行部数は209,616部なので、10年間で発行部数は徐々に落ちてきています。

ただ、これはananだけではなく、他の雑誌全般に言えることではあります。言うまでもなく、雑誌自体が厳しい環境に置かれていますからね。

an・anはどのようにして生まれたのか?

an・anの発刊当初は、マガジンハウスが発行していた雑誌『平凡パンチ』の女性版という位置づけでした。

1969年に平凡出版社(現マガジンハウス)の岩堀喜之助社長(当時)が清水達雄専務をともない、パリへと向かい、フランスの女性週刊誌『ELLE』と提携契約を結びます。

『ELLE』はフランスの出版社の発行する女性ファッション誌で、アートディレクターの導入などにより「an・an」に多大な影響を与えたと言われています。

そして、『ELLE』のライセンスマガジンとして創刊されたのが『an・an ELLE JAPON(アンアン エルジャポン)』です。

『an・an ELLE JAPON』は芝崎文編集長、堀内誠一をアートディレクターに迎え、創刊号には金髪の外国人モデルを起用。
ビジュアル、内容ともに、既存の女性ファッション誌とは一線を画すエポックメーキングな雑誌の登場でした。

an・an創刊時のターゲットは10代〜20代の女性で、ファッション誌としての色が強い雑誌でした。

”スタイリスト”という職業を生み出した『an・an』

当時、ファッション雑誌は巻末で洋服の作り方を型紙とともに掲載するのが主流でした。つまり、非常に実用的な内容を紹介するのがファッション雑誌の在り方だったわけです。

しかし、『an・an』は最新のモード服のコーディネートを提案するのを雑誌のテーマとし、現在の雑誌では当然とされている事を初めて取り入れた雑誌といえます。

そうした経緯から誕生したのが「スタイリスト」です。

洋服の作り方ではなく、コーディネートを提案する雑誌としてスタイリストの存在はananにとって不可欠でした。

『an・an』は原由美子、高橋靖子などの有名なスタイリストを輩出。また、起用するモデルも個性的なキャラクターかつ親しみやすく、こうした点が既存の雑誌よりも若者に受け入れられた理由といえるでしょう。

洋服を「作る」ことから「コーディネートするもの」へ

先にも述べたように、当時のファッション雑誌はおしなべて洋服を「作る」という点に主眼が置かれていました。

『装苑』などの雑誌は洋服の製作(洋裁)を中心に扱っていましたが、『an・an』は既製服(プレタポルテ)をメインに扱い、ファッション業界の動向などを誌面に反映させていました。

ショップガイドや、紹介されている洋服のショップやメーカーなどの情報を掲載することで読者と洋服の間を取り持つ役割を担いました。

いまでは当たり前となっているファッション誌の内容を、いち早く取り入れたのが『an・an』というわけです。

ライバル誌『non-no』の登場

日本のファッション雑誌に多大な影響を与えたan・anですが、そんなan・anの登場から1年3ヶ月後の1971年に集英社が『non・no』を創刊します。

non・noはan・anに比べてよりポピュラーなファッションを扱い、誌面で紹介されている洋服のブランド名や特徴、価格などを掲載し、アイテムごとのカタログ的要素を持たせることで多くの読者の支持を得ました。

このカタログの手法はすぐにan・anも取り入れることになり、雑誌のカタログ的要素は多くの雑誌に波及する事となります。

non・noは発売後、急速に売り上げを伸ばし、non・noの発行部数は短い期間に100万部を超え、an・anを追い越します。

non・noが「お嬢様風」などのジャンルによって広く受け入れられる反面、an・anは知的で高級なハイブロー志向であったため一般女性向けではないとう評判がありました。

そんな中、an・anはnon・noとの競合を避けるため、提携誌の『エル』に合わせるかたちで1981年に発行サイクルを月2回から週刊誌へと切り替えます。

日本初のウィークリーファッション誌として再出発を遂げたan・anの発行部数はそこから大きく伸び、路線変更は成功をおさめるのです。

an・an + non・no = 「アン・ノン族」

こうしてそれぞれの雑誌が多くの読者に支持される過程で、流行語とも言える言葉が生まれます。
それが「アン・ノン族」です。

1971年の当時、国鉄(現JR)が行った旅行キャンペーンによって、雑誌には旅行に関する特集が多く組まれました。

an・anやnon・noは特集の中で、たびたび国鉄とのタイアップキャンペーンを行い、その特集に感化された女性がこぞって日本国内に旅行をするようになります。

京都や北海道、鎌倉、軽井沢などの各地を雑誌の案内通りに旅をする主体性のない女性達を揶揄する意味も込めてつけられたのが「アン・ノン族」という名称だったのですが、アン・ノン族は女性の行動範囲を広げる大きな社会現象となり、女性のライフスタイルを変えるキッカケとなりました。

an・anの特異な内容で共感を呼ぶ「特集」

ファッション誌として産声をあげたan・anですが、冒頭で紹介したように現在ではファッションというよりもライフスタイル全般を扱う雑誌へと変化を遂げています。

an・anの中で組まれる特集はたびたび他のメディアでも取り上げられ、大きな反響を呼ぶ事があります。

その中でまず有名なのが「好きな男・嫌いな男ランキング」です。

これはan・anが独自のアンケートによって好きな男性芸能人と嫌いな男性芸能人をランキング形式で発表する人気企画です。

2009年以降は休止されていますが、ここで発表される結果が芸能人の知名度やイメージに大きな影響を与えました。

他にan・anで組まれる有名な特集に「SEX特集」があります。女性週刊誌としては珍しい「性」に関する特集が大きく組まれることがあります。

この特集の中では「性に関する知識」をはじめ、男性有名人のヌードグラビア、AV女優の官能ビデオ、官能小説にいたるまで取り上げられます。

こうした他の女性誌とは一線を画す内容がan・anのブランド価値の向上につながり、多くの読者からの支持が集まっているといえそうです。

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