英単語の暗記は多くの人にとって苦痛だと思う。
そんな人には「洋書精読で英単語を覚える」という方法を提案したい。
もちろん良いことばかりではないけど、メリットも多いのでぜひ試してみてほしい。
【大前提】英単語帳を使ったほうが効率的
いきなり出鼻をくじくようだが、大前提として、効率重視で英単語を暗記したいのであれば洋書を使うのはおすすめしない。
やはり一般的な単語帳よりは非効率だし、時間がかかる。当然ながら、辞書などで語義を調べながら読み進めることになるので、わりと大変な作業だ。
だから、洋書に手を出す前に、基本的な英単語帳を1冊だけやりこむのがおすすめ。
それなりの英単語力がないと、そもそも洋書を読むのがシンドいから、まずは英単語帳で基本的な単語を学習するのがおすすめだ。そのほうが、結果的に時短になると思う。
もちろん「英単語帳を使うのは絶対に嫌だ」という人は別だが、そこまで苦痛じゃないなら【英単語帳1冊やる→洋書精読で英単語暗記する】という流れが良い。
ちなみに、英単語帳は『DUO』をおすすめしたい。

興味があるジャンル・内容で、やる気が高まる
ここからは洋書精読で英単語暗記をするメリットを紹介していく。
まず、自分の好きなジャンル・内容の本で英単語を覚えられるというのが何よりも大きなメリットだ。
たとえばファッションが好きな人であれば、ファッション関連の洋書を読むことで、読書を楽しみつつ、ファッションにまつわる英単語・専門用語を覚えることができる。
野球が好きな人なら、野球の専門用語を英語で覚えられるから楽しめるはずだ。
自分の好きなジャンルであれば、自然と読書欲・勉強欲も湧いてくるから、単語帳よりも俄然やる気が出るだろう。
実際、僕も洋書を読むときは必ず「本当に読みたい本」しか読まないようにしている。そのおかげで英単語の吸収量も増えるし、シンプルに読書が楽しい。

同じ単語が何度も出てくるから、刷り込み効果で定着しやすい
英単語の暗記はとにかく反復が大事なのだが、記憶に刷り込むためには何度もその英単語と”出会う”必要がある。
そんな英単語暗記の特性を考えると、洋書を読むことは非常に効果的だ。
なぜなら、洋書を読んでいると同じ英単語が本のなかで何度も出てくることがあるからだ。特定のジャンルを扱った本だと、その傾向は顕著になる。
洋書を読みながら辞書を引いて意味を調べた経験がある人ならわかると思うが、単語の意味を調べても覚えているのはその場限りになる。一回調べただけでは単語の意味は覚えられない。
しかし、その単語と出会う回数を重ねていくごとに、少しずつ記憶に定着していくのを実感できるはずだ。
- 1回目:「(辞書を引いて)なるほど、こういう意味か」
- 2回目:「この単語、さっきも出てきたな」
- 3回目:「たしかこの単語の意味は◯◯だったな」
- 4回目;「(無意識で読み進めるようになる)」
上記はあくまでも僕の感覚ではあるが、英単語を繰り返し目にすることで、いつのまにか(無意識でスラスラと)英文を読めるようになる。
英単語帳だと、この刷り込み効果は期待できない。もちろん、1冊の英単語帳を周回すればできるが、洋書で何度も目にするよりも効果は薄れるように思われる。
どの文脈で単語が使われるのかがわかる
「例文で単語を覚えないと、定着しにくい。実際に使いこなせない」と言われることがある。
たしかにそのとおりで、英単語と和訳の”対(つい)”で暗記しても「この単語はいつ、どんなシチュエーションで使われるのか?」を知らないと、使いこなせない。
だから、英単語は必ず例文を交えて覚えるべきだ。
例文が載っている英単語帳もたくさんあるが、それらも結局のところは「単語帳のために作られた英文」でしかない。
洋書は例文ではない。そこに書かれている文は、いってみれば「リアルに使われている文」である。
どんな文脈で使われる単語なのかがわかると、英文ライティングはもちろん、英会話のときにも正しい単語の使い方ができるようになる。
つまり、洋書を読むことでアウトプットにも良い影響が出るということだ。
洋書の精読については、以下の記事もくわしく書いているので参考にしてみてほしい。

どうやって反復学習をするか?
英単語は何度も反復して繰り返しやらないと記憶に定着しない。
だから、洋書の英単語にマークをして意味を書き込んでも、それっきりで終わりにしてしまっては英単語を覚えることはできない。
ではどうするか?僕がやっているのは、洋書で出てきた英単語を、スマホの単語帳アプリにストックしていく方法だ。
スマホアプリには、自分で単語を入力してオリジナルの単語帳を作れるアプリがある。「Anki」や「WordHolic」などが有名どころだ。
正直、ひとつひとつ手入力になるから、面倒な作業であることは否めない。
しかし、僕が使っている「Anki」というアプリは、忘却曲線(人の記憶が何日で消えてしまうかを、理論的に説明したもの)に基づいて、自動で出題間隔を設定してくれる。
だから、入力さえしてしまえば、あとはアプリが最適な学習回数に導いてくれるのだ。
洋書を使った英単語学習は、アプリを使うと効率化できる。ぜひ試してみてほしい。