「表紙がかわいい」とか「なんとなくオシャレだから」という理由で洋書を選ぶ人は多いと思います。
僕もこれまで何度も”ジャケ買い”(見た目だけで買うこと)をしてきましたが、正直なところ「買ってよかった」と心から言える本は1冊もありませんでした。なぜなら、結局むずかしくて読めない本ばかりだったから。
ということで今回は、洋書の衝動買い・ジャケ買いの良し悪しを、僕の経験からお話してみたいと思います(この記事では”ジャケ買い”という用語を連発します。この手の言葉が苦手な人もいると思いますが、お許しください)。
「ジャケ買いもいいな」と思える瞬間
- ジャケ買いの良いところ
- ・見た目が気に入った本を所有できる
- ・映えるから、部屋のインテリアになる
- ・洋書のデザインから良い着想を得られる
最初にお話したとおり、僕は以前まで頻繁に洋書をジャケ買いしていました。本屋で目にした洋書を衝動買いしては悦に入る…という感じです。特に、紀伊國屋書店の洋書セールへ行くと、衝動買いに拍車がかかります。
ジャケ買いによって「表紙が気に入った洋書を所有できる」という満足感が得られます。中身を読んでも読まなくても、持ってるだけで良い気分です。
また、洋書は和書よりも”映える”ので、部屋や本棚に飾ってインテリアとして活用することもできます。
デザインを仕事にしているような人は、洋書の表紙から着想を得られることもあるかもしれません。
ちょっと無理矢理感もありますが、洋書のジャケ買いによってQOL(クオリティ・オブ・ライフ)が上がると考えることもできますね。
余談ですが、洋書のカバーデザインを見るたびに「和書もこんなオシャレだったらいいのにな…」と思ってしまいます。洋書ってなんであんなにも色鮮やかなんでしょうか。
洋書のジャケ買いで失敗する奴
- ジャケ買いの良くないところ
- ・罪悪感、後悔に苦しめられる
- ・読めない本ばかりが部屋を占領する
- ・お金がかかる
- ・すぐに手放せない(売却しにくい)
ずばり、ジャケ買いをすると罪悪感に苛まれます。
「ああ、またやってしまった…また読めない本を買ってしまった…」という後悔が、精神を蝕んでくのです。ちょっとおおげさですが、部屋に読めない本ばかりが増えていくのは気持ちの良いものではありません。
罪悪感のみならず、家計を圧迫するというデメリットもあります。洋書は和書よりも値段が高いことが多いので、むやみに買ってしまうとスグに予算オーバーです。
買ってしまった本を気軽に手放すことができればいいのですが、日本国内では洋書を売却するのは非常にハードルが高く、それがジャケ買いした人をより苦しめることになります。
一般的な古本屋では洋書を販売してませんし、買取も対象外です。ネットの買取査定でも、洋書は買い取ってくれません。頼みの綱であるメルカリでもなかなか買い手がつきません。
という感じで、「洋書は買ったら最後」という側面があるので、和書に比べて洋書のジャケ買いはデメリットが大きいのです。
「罪悪感もないし、特に気にもならない」という人もいると思いますが、僕はジャケ買いで失敗を重ねてきた結果「もうジャケ買いはしない」という結論に至りました。
むやみに洋書を買ってしまわないために
何事も「失敗から学ぶ」といいますが、この記事を読んでくれた方には、最初から洋書のジャケ買いで失敗しないためのコツを知ってもらえればと思います。
洋書の購入で失敗しないためには、立ち読み(試し読み)に時間をかける。コレに尽きます。
当たり前すぎる話ですが、結局のところ本選びに時間をかける以外に対策はありません。特に洋書の場合、カバーがおしゃれで心を奪われやすいので、肝に銘じておきましょう。
では、洋書を選ぶときにどこを見ればいいのか?僕は以下の3つを意識しながら試し読みしています。
- 洋書を選ぶときに見るべきポイント
- ① Introduction(まえがき)を読む
- ② 本編の最初、中盤、終盤の3箇所をざっくり読んでみる
- ③ 表紙デザインに愛着が持てるか吟味する
① Introduction(まえがき)を読む
まえがきには「なぜこの本を書いたか?」「読む上で知っておいてほしいこと」などが書かれており、どんな内容の本かを知るのにピッタリのページです。
和書でも「まえがきを読んで本を選びましょう」と言われますが、洋書でも同じです。
洋書のまえがきは “Introduction” や “Preface” といい、ほとんどの本で掲載されています。
Introduction では内容のチェックはもちろんですが、それ以前に「自分の英語レベルで読めるか?」という点をチェックします。
Introduction の文頭からいきなり何を言ってるかわからない場合、その本はトータルで(自分にとって)むずかしいと判断できます。
ただし「Introduction では比喩的な言い回しが多くてわかりづらいけど、本編は意外とスラスラ読める」という本もあります。Introduction は大事ですが、それだけで判断しないほうがいいこともあるので注意が必要です。
② 本編の最初、中盤、終盤の3箇所をざっくり読んでみる
Introduction を読んで「お、この本読めるかも!」と勢いでスグに本を買うのはおすすめしません。
なぜなら、Introduction は読めたのに、本編はむずかしくて読めない場合があるからです(逆のパターンもあります)。
Introduction は概要(総論)が語られることが多いので、いろんな人が理解しやすいようにかみ砕いて説明してくれていることがほとんどです。ですから、いざ本編を読んでみると、「むずかしい専門用語が多くて全然わからね…」というケースが往々にしてあります。
本編のほうが深い内容に踏み込んで書かれているので、むずかしくなるのは当然といえば当然です。
ここで言いたいのは、「Introduction だけで判断しないで、ちゃんと中身を読もうね」ということ。具体的には、本の序盤・中盤・終盤をおおまかに読みましょう(どのページでもいいです)。
3箇所くらい読んでみると、各セクションでどんな内容が語られ、どんな英単語が使われているのか傾向を掴むことができます。
「序盤ではやさしい単語が多かったけど、中盤以降はやたらむずかしいな…」という場合、その洋書は買わないほうがいいと判断できます。
洋書に限らず、本というのはページが進むにつれて内容がむずかしくなっていく傾向があるので、それを知っておくと本選びの失敗を減らすことができるはずです。
③ 表紙デザインに愛着が持てるか吟味する
「ジャケ買いはしない」と決めた僕ですが、それでも表紙カバーの良し悪しは気になります。
どんなに内容が良い本でも、本そのものに愛着が持てないと読書欲がわかないからです。
やはり読書をする以上、その本を手に取るたびに幸せな気持ちになれたほうが良いですから。
とはいえ、この段階は経ないことも多いです。というのも、書店ではたいていカバーデザインに惹かれて洋書を手に取るから。つまり、手に取る時点で「惹かれる洋書かどうか」という条件はクリアしていることが多いんですね。
ちなみに、書店に限らずAmazonなどでペーパーバックを買う場合や、Kindle や kobo で電子書籍を買うときでも条件は同じです。
僕はKindleで本を読むことも多いですが、Kindle は試し読みができるので、購入前にカバーと内容をチェックできます。