本を最後まで読みきれず挫折した、という経験を持つ人は多いと思います。
今回は僕の経験も踏まえつつ、1冊の本を最後まで読み切るためのコツを紹介します。
【結論】一字一句読もうとしないこと
最初に結論からいうと、僕が最後まで本を読み切れるようになったのは、飛ばし読みや拾い読みができるようになったからです。
読書に慣れないうちは「最初のページから最後のページまで、順番通りにじっくり読まなきゃ」という気持ちになりがちです。
「ゆっくり丁寧に読んだほうが理解が深まるんじゃないの?」という意見もあると思いますが、じっくり読むことには弊害もあります。
- 丁寧に読むデメリット
- ・時間がかかりすぎる
- ・進捗が遅く、フラストレーションになる
- ・必要のないページも読むので、時間対効果が悪い
時間がかかりすぎる
1冊を一字一句読もうとすると、大変な時間がかかります。
本の厚さや難易度にもよりますが、下手すると1ヶ月かかっても1冊を読みきれないこともあるはずです。
時間がかかれば、当然読める本の冊数も減ります。読める冊数が減れば、それに合わせて得られる知識や疑似体験も減ることになります。
時間と内容の理解度は必ずしも比例しませんので、時間をかけたところで成果は得られないのが現実なのです。
進捗が遅く、フラストレーションになる
1冊の本に時間をかけるということは読むスピードを下げることになるので、ページがなかなか進みません。
ふと気づいたときに「こんな時間をかけたのに、まだ残りのページがこんなにある…」という絶望を味わうことがあります。
時間をかけたのに進捗が悪いという状態のせいでフラストレーションが溜まり、それが読書への嫌気につながることも。
実際、僕はこれを何度も経験していて「時間をかけたのに全然読めてない自分に自己嫌悪→読書への苦手意識」という負のスパイラルに陥ったことがあります。
必要のないページも読むので、時間対効果が悪い
小説やマンガは良いですが、ビジネス書や実用書は自分にとって不要なページが必ず存在します。
たとえば自己啓発書や実用書の場合、ほぼ確実に「著者は昔こんな失敗をして……今はこんなことができるようになりました」という語りの部分が最初に出てきます。
もちろんコレを読むことで著者に共感したり、内容に入り込みやすいというメリットもあります。しかし、肝心である”本の核”とは無関係であることがほとんどです。
それはつまり、せっかく時間をかけて読書をしているつもりでも、自分にとって必要のないページに時間を割いていただけということになりかねません。
そういう読み方は時間対効果が悪いので、長い目で見たときに損です。
最後まで読み切るために、僕が身につけたこと
- 1冊を読破するためのコツ
- ① 「本は端から端まで丁寧に読むもの」という概念を捨てる
- ② 飛ばし読み・拾い読みをする
- ③ 読むのに飽きたら、容赦なく他の本に切り替える
① 「本は端から端まで丁寧に読むもの」という概念を捨てる
「せっかくお金をかけて買ったのだから…」「最初のページから丁寧に読まないといけない」という固定観念のせいで、本を最後まで読みきれない人は多いと思います。
本を大切にする気持ちは大切ですが、そのせいで読書量が減ってしまっては本末転倒です。
本はもっとラフに、読み捨てるくらいの気持ちで良いと思います。最初の10ページ20ページで挫折されるよりも、サラッと飛ばし読みでも最後まで読んでくれたほうが著者にとっても嬉しいはずです。
僕も以前までは「本はじっくり丁寧に、汚さないで読もう」という気持ちが強かったせいで、全然読みきれませんでした。
しかし、あるときに吹っ切れて「もっとラフに、いい意味で雑に読んでもいいのでは」と思うようになってから、飛躍的に読書量(冊数)が増えました。
② 飛ばし読み・拾い読みをする
僕が本をある程度の短い時間で1冊読み切ることができるようになったのは【飛ばし読み・拾い読み】をするようになってからです。
読書はもっと、ネットやSNSと同じ感覚で読めばいいのではないかと思っています。
ネット検索で悩みを解決しようとすると、ほとんどの人が飛ばし読みや拾い読みをすると思います。ある記事にたどりついて「この記事は微妙だな」と感じれば、離脱して他のページに移動しますよね。
なぜそんなことをするかというと、自分にとって重要でない情報に時間を割くのはムダだとわかっているからです。
読書もそれと同じで、自分にとって必要性のない内容を頑張って読むのは時間のムダです。
つまり、ネットやSNSと同じような感覚で読書をすればムダを大きく削ることができます。
また、本の中で自分にとって真に必要な内容というのは意外と少ないものです。誰かにとっては重要な文章も、自分にとっては重要ではないこともあります。仕事も性格も千差万別ですから、それは当たり前の話ですよね。
ですから、自分にとって重要に感じられないのであれば無理に読む必要はありません。拾い読みをして、重要に感じる部分だけを深く読めばOKです。

③ 読むのに飽きたら、容赦なく他の本に切り替える
「本を大切にしすぎる」ということと関係してきますが、読んでいる本に飽きたり、必要性が感じられなくなったら他の本に切り替えましょう。
ありきたりな話ですが、一生の中で使える時間は有限です。読める本の冊数も限られています。そんな貴重な時間を、自分にとって不要な本に割くのはもったいなさすぎます。
僕は本を選ぶときにかなり時間をかけて吟味するのですが、それでも買った本がイマイチで読むのをやめることがあります。
もちろん、罪悪感はゼロではありませんが、読めなかった本に執着することはありません。すぐに次の本を読むようにしています。
最初からいきなりそのマインドを得るのはむずかしいかもしれませんが、少しずつ体得できるようになると思います。

短時間で1冊の本を読み終える方法
趣味や娯楽で小説を読む場合は別ですが、読書をするなら誰もが短時間で1冊を読み切りたいと思うはずです。そのほうが情報収集がはかどりますからね。
本を最短で読む方法は、大きく分けると2つしかありません。
- 少ない時間で1冊を読み終える方法
- ① 速読の技術を身につける
- ② 飛ばし読み・拾い読みをする
① 速読の技術を身につける
速読のやり方はいろいろありますが、基本的には【目を速く動かして文字を追う】というものが多い気がします。
僕も過去に速読を身につけようと思い、何冊か速読本を買ったことがあります。
しかし、速読のトレーニングは決して面白いものとはいえず、早々に断念。そのため、速読の良し悪しについて、深い話はできません。
ただ、僕が実際に速読にちょっとだけ手を出してみて思ったのは「これはほとんどの人にとって習得不可能なのではないか?」ということです。
あくまでも僕の個人的な意見として話をしますが、速読のトレーニングはかなり難しいですし、効果を実感するのに時間がかかります。結果として、多くの人が挫折するのではないかと思います。
僕も挫折した人間の1人ですが、個人的には速読を苦労して身につけるよりも【飛ばし読み・拾い読み】ができるようになったほうがずっと効果的だと感じました。
② 飛ばし読み・拾い読みをする
短時間で1冊を読み切る方法としておすすめなのが、【飛ばし読み・拾い読み】です。
速読とは違って、身につけるのも難しくありません。ふつうに本をパラパラと読んで、自分が重要だと思ったページをじっくり読むだけです。
もう少し具体的なテクニックとしては、
- 飛ばし読み・拾い読みのコツ
- ・目次を読んで、おおまかな内容をつかむ
- ・目次から、どのページに必要な情報があるか掴む
- ・見出しを眺めるようにして読み、気になれば本文を読む
というものがあります。これらはいずれも難しい要素は一切なく、少し慣れれば誰にでもできるものです。
飛ばし読み・拾い読みは、誰にとってもハードルが低く、なおかつ効果を実感しやすいものです。
本を最後まで読みきれずに悩んでいる、という人はぜひ実践してみてください。
繰り返しになりますが、飛ばし読み・拾い読みは読む本のジャンルを選びます。小説やマンガではやりません。あくまでもビジネス書や実用書などで活かせる読み方です。