洋書に不慣れな人がいきなり分厚いペーパーバックを読もうとすると、ほぼ確実に挫折します。
僕も調子に乗って洋書を読んで何度も挫折してきましたが、薄い本を意識的に選ぶようになってからは洋書1冊を最後まで読み通せるようになりました。
というわけで今回は、洋書初心者におすすめの薄い洋書と読み方について解説していきます。
薄い洋書を選ぶべき理由
薄い洋書を選ぶべき最大の理由は、最後まで読み通しやすいからです。
読書をしていて、1番辛いのが途中で読めずにやめてしまうことですよね。買った本がもったいないという金銭的な理由もありますが「読めずにあきらめてしまう自分」という現実を突きつけられるので、自信を大きく失います。
ですから、なるべく薄い洋書を選ぶようにして「1冊最後まで読めた!」という達成感を味わうように意識すべきです。
薄い本だからといって難易度が低いわけでもないですし、分厚い本だから必ず難解というわけでもありません。
しかし、相対的に薄い本のほうがやさしい作品が多いですし、GR(後述)などの初心者向けの洋書も多く揃っています。
こうした理由から、洋書初心者の人は例外なく薄い本から入ることをおすすめします。
薄いペーパーバックが見つからない問題
とはいえ、ここで問題があります。それは、薄いペーパーバックがなかなか売ってないということです。
そもそも、国内の本屋では洋書が売ってない or 数が少ないという現実がありまして、どうしても品揃えに限りがあります。そういった中から選ぼうとすると、どうしても薄い本は見つかりづらい。
大型書店の洋書コーナーを見てもらうとわかりますが、一般的なペーパーバックで薄い本(約100ページ)はほとんど見つかりません。
ですから、いくら薄い本が良いと言われても、そもそも薄い本を見つけるのがむずかしいという問題にブチ当たります。
僕は家の近所に大型書店があるので頻繁に足を運んでいるのですが、そこでも薄いペーパーバックを目にする機会は非常に少ないです。たとえ見つかったとしても、むずかしかったり興味のないテーマだったりするので、なかなか理想の1冊は見つかりません。
こうした現実があるので、洋書初心者の人はいきなり本屋で洋書を見つけてはジャケ買いしてしまいます。表紙もオシャレだし、なんとなく読めそうだから。その気持ちは僕もよくわかります。
たしかにジャケ買いにも良い面はありますが、最後まで本を読み通したいのであれば、勢いだけで洋書を買うのは絶対におすすめしません。

GRがすべてを解決してくれる
薄い洋書が見つからない!どうすればいい?すべてはGRが解決してくれるので心配ありません。
GR(Graded Readers)は、やさしい語彙だけで書かれた入門向けの洋書。すべての作品が1冊70〜100ページ程度の薄い本なのです。つまり、最後まで読み通しやすい。
Graded という言葉からもわかるとおり、語彙レベルに合わせて段階が分かれています。
ちなみにGRというのは総称でして、いろんな出版社からレベル別の洋書が出ています。たとえばオックスフォード大学出版局のOxford Bookwormsは以下のようにレベルが分かれています。
Oxford Bookworms | 単語数 | レベル目安 |
---|---|---|
Stage 6 | 2,500 語 | 英検1級 |
Stage 5 | 1,800 語 | 英検準1級 |
Stage 4 | 1,400 語 | 英検準1級 |
Stage 3 | 1,000 語 | 英検2級 |
Stage 2 | 700 語 | 英検準2級 |
Stage 1 | 400 語 | 英検3〜5級 |
Starter | 250 語 | ー |
見てもらうとわかるとおり、かなりレベルに幅があります。
たとえば、英検5級は中学初級程度の英語レベルなので、かなり簡単な単語と文法しか使われません。そのため、洋書初心者の人でも最後まで読める可能性がかなり高いのです。
英語初心者と洋書初心者は別物なので注意が必要ですが、最低限の英文法や単語を知っていれば、洋書に慣れてない人でも読破しやすいと思います。
僕も初めて最後のページまで読み切った洋書はOxford Bookwormsでした。このシリーズは何冊も読んできましたが、おかげで今では少し分厚いペーパーバックも読めるようになりました。
ちなみに、Oxford Bookwormsは小説がほとんどで、ビジネス書や実用書はほぼありません。そのため、小説が苦手という人は作品えらびで少し悩むかもしれません。

手に入りやすいラダーシリーズも◎
AmazonならOxford Bookwormsが手軽に買えます。が、人によっては実物を確かめてから本を買いたい場合もあると思います。
Oxford Bookwormsは中小規模の書店では置いてないこともあるので、どちらかというと手に入りづらいです。そのため、大型書店に行くかAmazonで買うことになります。
Oxford Bookworms以外の選択肢としては、ラダーシリーズもおすすめです。ラダーシリーズは中小規模の書店でも置いていることが多いので、比較的手に入りやすいです(もちろんAmazonでも売ってます)。
レベル1 | レベル2 | レベル3 | レベル4 | レベル5 | |
---|---|---|---|---|---|
使用語彙数 | 1000語 | 1300語 | 1600語 | 2000語 | 制限なし |
TOEICスコア | 300〜400点 | 400〜500点 | 500〜600点 | 600〜700点 | 700点以上 |
英検 | 4級 | 3級 | 準2級 | 2級 | 準1級 |
iTEP | 0.0〜1.0 | 10〜2.0 | 2.0〜3.0 | 3.0〜4.0 | 4.0以上 |
表紙例 | ![]() | ![]() | ![]() | ![]() | ![]() |
Oxford Bookwormsとはちがって、ラダーシリーズは小説だけでなくビジネス書や伝記本まで幅広いジャンルが揃っています。そのため、ビジネスパーソンでも興味を持って読める本がたくさんあります。
個人的にはラダーシリーズのほうが好きなタイトルが多いので好んで読むことが多いです。

Kindleで洋書を読むという方法も
さきほども説明したとおり、洋書は一般的な書店では扱ってないので、AmazonのKindleを使ったほうが断然手に入りやすいです。
僕は当初、Oxford Bookworms を紙の本で買っていましたが、最近はKindleで買うことがほとんどです。
単純にKindle版のほうが手に入りやすいというのもありますが、Kindleだと以下のメリットを享受できるのも大きな理由です。
- Kindleで洋書を読むメリット
- ・辞書が使える
- ・手軽に線(ハイライト)が引ける
- ・メモを残せる
上記のメリットは、いずれも紙の本だと手間がかかるものです。
紙の本を読みながら辞書を引く場合、一度本を置く必要があるので面倒ですよね。
気になる箇所に線を引いたりノートにメモを書く場合も、ペンに持ち替える手間が発生します。
Kindle版は辞書が内蔵しているので気になる単語をタップするだけで語義を確認できますし、ペンやメモも機能として備わっています。

Kindle版は本の薄さを視覚的にチェックできない
ただし、Kindle版だと視覚的・触覚的に本の薄さを確認できません。
紙の本であれば、見た感じの薄さや持った感じの軽さなどで「このボリューム感なら読めそうだな」と直感的に判断ができます。しかし、Kindle版だとそれができません。
一応、Kindle版でもページ数は購入前に確認できるので、薄い本を重視して買う場合には必ずページ数を見てから買うようにすると失敗が少ないと思います。

読み放題で、薄い本を読み漁る
AmazonにはKindle Unlimitedという、洋書を含めた本が200万冊以上が読み放題になるサービスがあります。
僕も課金して使っているのですが、使い始めたら手放せないくらい便利です。なんせ、本が好きなだけ読めるわけですから。
繰り返し説明していますが、洋書は書店で売ってないので手に入れるハードルが高いものです。しかし、Kindleならすぐに手に入りますし、読み放題なら好きなだけいろんな本を試すことができます。
洋書選びに迷っている人や、洋書が手に入らなくて困っている人はぜひ一度試してみてください。